好きなように読むのがいちばんいい。
オラクルカードを読むということは、カードを通じて目に見えない他者とコミュニケーションをとることだ。その相手は、天使かもしれないし宇宙人かもしれないし、ハイヤーセルフと呼ばれるあなた自身かもしれない。
いずれにせよ、誰かとコミュニケーションをとろうとするならば、いちばん大事なことはルールを守ることではない。相手が見える存在でも見えない存在であっても、自らの意図をなるべくまっすぐに表現し、相手の伝えようとしていることをなるべくそのまま受け取ることだ。
オラクルカードに付属している解説書には、切り方だけではなく並べ方まで書いてあったり、カードを定期的に浄化するだとかカードを引く前に質問の意図を明確にするだとか、いろいろな手順が書かれていることもある。
好きなようにしたらいい。解説書に従ったほうが心地よいならば、そのやり方があっている。
カードの引き方も人それぞれだ。カードをn回(回数は人それぞれ)切る人。手品師のように裏返したカードを並べて好きなところから引く人。カードをノックしてから引く人。カードを3山に分けてひとつを選び、上からn枚目(枚数は人それぞれ)のカードを引く人。さまざまな人がいる。毎回同じ引き方をする必要もない。
ケルト十字法でがっつりカードと語り合いたい日もあるかもしれないし、「今日は2枚くらいかな」と感じたならば、そんな並べ方が解説書に載っていなくても、その感覚が正しい。
「質問が明確でないとカードからのメッセージを受け取れない」というもっともらしい考え方もあるが、そもそもコミュニケーションは双方向である。あなたがカードを引きたいと感じたのは、あなたの周りの見えない存在たちが「ねえ、ねえ」と話しかけてきたからかもしれない。その場合、こちらから質問をぶつけるよりも「何を伝えたいの?」と話を聞こうとすることこそが対話だ。
人と人との対話においても、表面的に上手くコミュニケーションをとる技術は存在するが、本気で相手と向き合おうとするならば、できる限り心を開いてひとつずつ信頼を積み上げていくしかない。カードを介したコミュニケーションでも同じこと。
コミュニケーションは質よりも量が大切だという。些細な会話であっても、頻度を増やすことで着実に信頼は積み上がっていく。そういう意味では、なるべくカードとの時間を増やすことが、現実的かつ理にかなっているといえる。