ウェイク語

Siela

 Sielaとは、ひとことでいうなら「わたし」を意味する。

 これまでの人生で自己の外側から定義づけられていた自分を手放し、見える世界と見えない世界をバランスよくつなぎ、軽やかになったわたし。

 見える世界のわたしは肉体を持ったひとりのヒトだが、見えない世界にはもっとたくさんのわたしがいる。「もっとがんばろう」と目標を設定するわたしがいて、「でも、疲れてるからもう寝よう」と眠気を誘ってくるわたしがいる。他者から見える「わたし」と、自分が内側に感じられる「わたし」が統合されたのが、Sielaという単語で表される「わたしたち」なのだ。

 わたしたちは、この社会の中で生まれ成長し、まるではじめて目にしたものを親だと思ってしまう雛鳥のように、この社会のあり方を全面的に受け入れている。もちろん、そこに異を唱える人々はいる。しかし、Aという仕組みに反対しているとき、その活動はAの存在を受け入れている。こうして、自己の外側のルールによって得たアイデンティティを、多くの人が自分自身だと思い込んでいる。

 今は、マインドフルネスや瞑想を通じて、自分を再発見する人も増えている。それは素晴らしいことだが、中には見える世界と見えない世界のバランスを見失う人もいる。見えない世界に偏りすぎる人。見える世界のルールに縛られていることに気づかず、見えない世界にそのルールを持ち込もうとする人。本来、あなたのあり方に間違いはないが、自分にとって不自然な生き方をしていると、それはあなたの前に鏡のように映し出される。違和感や息苦しさから目を背け続け崖に向かって疾走する、チキンレースのような生き方をする人を見かけることもある。大変そうだなとは思うが、本人がそれを望む以上それは本人にとってベストなあり方なのだ。

 中には違和感に敏感で、社会から外れてしまう人も増えている。彼らは希望である。彼らが彼ら自身のSielaに出会うことが、Lunelireである。